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ちょっと待ってその発注。営業代行/HP制作/マーケティング/SNS

fundo編集部 ·

「補助金が採択されたので、まずホームページを作ろうと思って」

「営業する時間がないから、営業代行に頼もうかと」

「同業がSNSで伸びてるらしいので、うちも運用代行を……」

ちょっと待ってください。その発注、今じゃないかもしれません。

外注そのものが悪いわけではありません。順番と条件を間違えると、お金と時間だけが出ていくのです。2,000件以上の経営者との面談で、私はその「順番違い」を数えきれないほど見てきました。この記事では、営業代行・SNS運用・広告運用・HP制作・動画制作の5つについて、「頼んでいいタイミング」と「頼んではいけないタイミング」を判定基準つきで整理します。

先に結論。外注していい条件の早見表

細かい話に入る前に、結論を表にします。忙しい方はここと、この下の判定ツールだけ使ってもらえれば十分です。

外注の種類頼んでいい条件頼んではいけない状態
営業代行自分で売って受注した「勝ちパターン」が最低1つあり、それをマニュアル・スクリプトとして渡せる状態「何が売れるかまだ分からないから、営業のプロに探ってほしい」
SNS運用ビジネスモデルが成立している。または「期間×上限予算×指標」の撤退ラインを書面で決めた検証として「同業がやってるから」「とりあえず認知を」
広告運用SNSと同じ。加えて、1件獲得にいくらまで払えるか(許容CPA)を数字で言えること粗利もLTVも把握しないまま「月10万くらいで様子見」
HP制作融資・大口取引・採用など「信頼性を審査されるフェーズ」に入ったとき。それまでは自作で十分「補助金が出るから先に作っておく」
動画制作展示会・商談・採用説明・広告素材など「使う場面」が先に決まっているとき「なんとなく会社紹介動画があった方がいい気がする」

共通する原則は一つです。外注先はハサミのようなもの。紙はよく切れるが、鉄は切れない。切れなかったとき、悪いのはたいていハサミではなく、鉄を持ち込んだ側です。売れる型、回る数字、使う場面——素材を「紙」の状態まで整えるのは、残念ながら発注側の仕事です。

60秒でわかる。その発注、今していい?

ここから先を読む前に、まず現在地を確かめたい方へ。6つの質問に答えると、5種類の外注それぞれについて「GO/条件付き/STOP」を判定する無料ツールを用意しました。正直に答えてください。誰も見ていません。

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※判定の根拠は、この記事の本文にすべて書いてあります。

営業代行:「売れる型」がない会社に、代行は魔法をかけない

営業代行を検討していい条件は、シンプルに1つです。自分で売って受注した「勝ちパターン」が最低1つあること。そしてそれを、トークスクリプト・ターゲットリスト・想定問答という形で相手に渡せることです。

「ビジネスモデルが成立しそうだから、営業はプロに任せて自分は商品開発に集中したい」——気持ちは分かりますが、順番が逆です。「成立しそう」を「成立した」に変える作業、つまり最初の数件を売る仕事だけは、外注できません。なぜなら、そこで得られる「お客さんが何に反応し、何に渋るか」という一次情報こそが、代行会社に渡すマニュアルの原料だからです。

判断基準

代行会社との商談で「弊社のノウハウでゼロから開拓します」と言われたら、こう聞いてください。「初月に使うトークスクリプトを、契約前に見せてもらえますか?」——具体的なものが出てこなければ、あなたの商材で売る型は、まだこの世に存在していません。それを作るのはあなたです。

うまくいった例(架空)

金属加工業・村岡さん(従業員28名)。大手の下請け依存から脱却するため、試作品の短納期対応という自社サービスを社長自ら3ヶ月営業し、5件受注。「設計変更が多い開発部門ほど刺さる」という発見をA4三枚のスクリプトにまとめ、テレアポ代行に渡しました。代行はアポ獲得に専念、クロージングは社長。月8件のアポから2件成約のペースが半年続き、代行費用は3ヶ月目で回収。

機能した理由:代行に渡したのは「作業」であって「思考」ではなかったこと。誰に・何を・どう言うかは村岡さんが決め、電話をかける手だけを借りた。

失敗した例(架空)

ITサービス業・堀田さん(創業2年目)。新サービスの手応えが「ありそう」な段階で、月40万円の営業代行と6ヶ月契約。「ターゲット選定から提案書作成までワンストップ」の営業トークを信じて丸投げした結果、月30件のアポは来るものの、サービス内容を誤解した見込み客ばかり。成約ゼロで240万円と半年を失いました。

失敗した理由:「誰に売れるか」の検証を、最も高いコストのかかる方法で外注してしまった。代行会社は「アポ数」という契約上のKPIは達成しており、契約書の上では誰も悪くない。

SNS運用・広告運用:「撤退ライン」を書面にできないなら、始めない

SNSと広告は性質が近いのでまとめます。発注していいのは次のどちらかです。

① ビジネスモデルがすでに成立している場合。売れる商品と回る数字があるなら、SNSや広告は認知と流入を増やす道具として素直に機能します。差し出す素材が「紙」の状態です。

② 検証として使う場合。ただし撤退ラインが書面で決まっているなら。「決まっているなら」と言うだけでは実行されないので、フォーマットを指定します。次の3点セットを、発注前にA4一枚に書いてください。

撤退ラインの書き方

期間 × 上限予算 × 指標の3点を必ず数字で。例:

「3ヶ月間・総額45万円を上限とする。3ヶ月時点で問い合わせ1件あたりの獲得コストが15,000円を上回っていたら停止する。判断者は代表、判断日は10月31日。」

ポイントは「判断者」と「判断日」まで書くことです。撤退ラインが曖昧なまま始めると、人間は必ず「あと1ヶ月やれば」と言い出します。運用会社も契約継続が収益なので、止める提案は基本的に来ません。止める仕組みは、始める前にしか作れないのです。

失敗した例(架空)

菓子製造小売・及川さん。「同業がInstagramで伸びている」と聞き、月額12万円の運用代行を契約。フォロワーは8ヶ月で400人から3,800人に増えましたが、店舗売上は横ばい。増えたフォロワーの多くは県外の「スイーツ画像を眺めたい層」で、商圏の客ではありませんでした。撤退ラインがなかったため「フォロワーは増えている」という理由で契約が続き、気づけば約100万円。

失敗した理由:指標を「フォロワー数」にした(させられた)こと。売上に繋がる指標——来店時のクーポン提示数、EC経由売上——を最初に決めていれば、3ヶ月で気づけた話。

HP制作:簡単なものは自作でいい。「審査されるフェーズ」で初めて発注

ここは断言します。創業初期のホームページは、自作で十分です。今は制作ツールを使えば、数万円と数日で「検索したらちゃんと出てくる」レベルのものが作れます。名刺代わりの役割はそれで完全に果たせます。

お金をかけてきちんと作るべきタイミングは、「信頼性を審査されるフェーズ」に入ったときです。具体的には——

・金融機関に融資を申し込む(担当者は必ずHPを見ます)
・大手企業との取引口座を開設する(与信調査でHPは確認されます)
・採用を本格化する(求職者は応募前に必ず見ます)

この段階のHPに必要なのは、凝ったアニメーションではなく、会社概要・事業内容・実績・代表者の顔が、疑いなく確認できることです。審査する側の目線で作る。それだけです。

「補助金でHPを先に作る」は、かなりの確率で罠

これは面談で本当によく出会うパターンなので、独立して書きます。小規模事業者持続化補助金などを使い、「せっかく補助が出るから」とHP制作を最初の投資にする方が多い。しかし、補助金は「何に使うか」の判断を狂わせる装置でもあります。3分の2補助でも自己負担は残りますし、何より申請・実績報告に費やす時間はまるごと自己負担です。

失敗した例(架空)

建設業(リフォーム)・藤原さん。持続化補助金の採択を受け、制作会社に75万円(自己負担25万円+申請の手間)でHPを発注。「HPからの問い合わせで下請け脱却」が計画書上のシナリオでしたが、公開後6ヶ月の問い合わせは営業電話を除きゼロ。リフォームを検討する地域住民がその社名で検索する理由が、そもそも存在しなかったのです。一方、同時期に見送った「完工現場のビフォーアフターをまとめた紙の施工事例集」は、後に営業ツールとして機能しました。

失敗した理由:HPは「来た人を受け止める箱」であって「人を連れてくる装置」ではない。連れてくる仕組み(広告・SEO・紹介導線)なしの箱は、誰も来ない立派な店舗と同じ。

動画制作:「使う場面」が決まっていないなら、まだ早い

動画の判定基準は一つだけ。「どこで・誰に・何のために見せるか」が発注前に決まっているかです。展示会ブースで足を止めさせる30秒、商談冒頭で流す3分の事業紹介、採用ページに置く社員インタビュー、広告用の15秒素材——用途が先にあれば、動画は強い道具になります。

逆に最も死にやすいのが「なんとなく会社紹介動画」です。完成した動画に再生される場所がなく、HPの片隅とYouTubeの再生数二桁で眠ることになります。50万円かけた動画の総再生時間が、制作会議の時間より短い——笑い話のようですが、珍しくありません。

業者選定:「上流もできます」と言う会社に、上流ができた試しがない

ここまで「切れないのは素材のせい」と書いてきましたが、公平のために付け加えます。切れないハサミも、実在します。そして厄介なことに、切れないハサミほど「鉄も切れます」と言うのです。タイミングを見極めたら、次は相手選び。私の経験則を、遠慮なく書きます。

① 代行会社は「マニュアルを渡せる会社」しか使いこなせない

営業代行・SNS運用・カスタマーサポート、どの代行も構造は同じです。代行会社が提供するのは実行力(手数)であって、戦略ではありません。こちらでマニュアル・スクリプト・判断基準を作れるレベルに達していない状態で発注すると、代行会社は「自社の標準的なやり方」で動きます。それはあなたの商材向けに設計されたものではないので、うまく機能しません。「丸投げできます」は営業トークであって、業務設計ではないのです。

② 「知見があります」の実態は「作業ができます」であることが多い

動画制作会社を例にすると、「豊富な制作知見」を掲げる会社のほとんどは、正確には「動画を制作する技術がある」会社です。撮影も編集もできる。しかし「何を伝えればあなたの客が動くか」を考える力、いわゆるセンスや戦略性を持つ会社は、率直に言って多くありません。たまに掘り出し物のような会社は存在します。しかし「たまに」を引き当てる前提で発注計画を立ててはいけません。基本は「考えるのは自分たち」という覚悟で発注する。そして、安いものには安い理由があります。相場より大幅に安い見積もりは、テンプレートへの流し込みか、経験の浅い担当者か、どこかで工数を削っています。

③ 「上流工程からワンストップで」は、ほぼ営業トーク

「戦略設計からコンサルティング的に入ります」「マーケティング全体を上流から支援します」——制作会社・代行会社の提案書に頻出するフレーズです。私は2,000件超の面談の中で、このセリフを実行できた制作会社に、残念ながら出会ったことがありません。構造的な理由があります。制作会社の収益は制作物の納品で立つため、上流の議論は「受注のための入口」であって「本業」ではないからです。上流(戦略)は、制作物を売らない立場の人間に任せるか、自分でやるか。この二択です。

見分け方

「上流からできます」と言う会社には、「過去に上流を担当した案件の、戦略資料そのもの(社名は伏せてよい)を見せてください」と頼んでください。出てくるのが制作実績集(ポートフォリオ)だけなら、その会社の上流は入口トークです。もう一つ、「うちの担当は誰で、その人の過去の担当案件は何ですか」も有効です。商談に出てくるエースと、実際に手を動かす担当者は、多くの場合別人です。

それでも発注するなら:ディレクションの実務

ここまでの結論は「考えるのは自分、外注するのは手」です。つまり発注する以上、ディレクション(指示と管理)からは逃げられません。やり方を具体的に置いておきます。

ポイントは3つだけ

1. 目的とNGを、着手前に書面で渡す。口頭のニュアンスは、制作物には反映されません。「誰に・何を伝え・見た人に何をしてほしいか」と「やってはいけないこと」を文書にします。下にサンプルを置きました。

2. 完成前に、必ず途中で見る。営業代行なら初週の架電に同席(または録音確認)。動画なら絵コンテと初稿。SNSなら初月の投稿案一式。完成後の修正はお互いに高くつきます。チェックポイントを契約時に日付で決めておくこと。

3. 数字の報告フォーマットを、こちらが指定する。先方の月次レポートは、先方に都合のいい指標(表示回数、フォロワー数、アポ数)で構成されがちです。売上に繋がる指標——成約数、獲得単価、商談化率——を、こちらのフォーマットで毎月出させます。

コミュニケーションの頻度

タイミングやること
発注時発注指示書(下記サンプル)を渡す。撤退ライン・チェックポイント日程を契約書か議事録に残す
週1回・30分定例(オンラインで十分)。進捗と「今週の判断が必要なこと」だけ。雑談は不要
随時チャットでの質問には24〜48時間以内に返す。発注側のレス遅れは、そのまま品質低下になります
月1回数字レビュー。指定フォーマットの報告をもとに、継続・修正・撤退を判断

発注指示書のサンプル(架空)

先ほどの村岡さん(金属加工)が営業代行に渡した想定の指示書です。A4一枚、これだけで代行の精度は目に見えて変わります。

営業代行 発注指示書村岡製作所(架空)/ 2026.7
目的試作品短納期サービスの新規商談アポ獲得。月8件、うち技術責任者同席アポ4件以上
ターゲット県内+隣接3県の機械・装置メーカー(従業員30〜300名)。窓口は開発・設計部門。購買部門経由のアポは対象外
伝えること「試作1個から、図面受領後5営業日で納品」の一点のみ。価格の話は商談でこちらがする。電話では価格に言及しない
NG事項値引きの示唆/量産対応の約束/「何でもできます」という表現(選ばれない会社の言葉なので)
想定問答別紙A4三枚(よくある断り文句7パターンと切り返し)を必ず使用。新パターンが出たら週次定例で共有
報告週次:架電数・接続数・アポ数・断り理由の内訳。月次:アポ→商談化率。当社指定Excelフォーマットで
チェックポイント初週の架電録音を全件確認(7/24)。初月末にスクリプト改訂会議(7/31)
撤退ライン3ヶ月・総額90万円上限。3ヶ月時点で商談化率25%未満なら契約終了。判断者:村岡、判断日:9/30

この一枚を書けるかどうかが、そのまま「今、外注していいか」の判定になっています。書けないなら、書けるようになるまでが自社の仕事です。

まとめ:ハサミに鉄を差し出さない

最後にもう一度だけ。営業代行は勝ちパターンができてから。SNSと広告は数字が回ってからか、撤退ラインを書面にしてから。HPは審査されるフェーズが来てから、それまでは自作。動画は使う場面が決まってから。そして業者の「鉄も切れます(上流からできます)」は、証拠を出させてから信じる。

厳しいことばかり書きましたが、これは外注を否定する話ではありません。正しいタイミングの外注は、間違いなく事業を加速させます。順番を守れば、村岡さんのように3ヶ月で回収できる投資になる。順番を間違えれば、堀田さんの240万円になる。それだけの話です。

……とはいえ、大変ですよね。

ここまで読んで、「勝ちパターンの言語化、撤退ラインの設計、発注指示書、週次のディレクション——全部やるのは無理だ」と感じたなら、それは普通の感覚です。本業をやりながら片手間でできる量ではありません。

fundoでは、その「発注側の仕事」を丸ごと引き受けています。今の事業フェーズでどの外注がGOなのか、撤退ラインをどこに引くか、業者にどう指示し、毎月の数字をどう詰めるか。制作会社でも代行会社でもない、あなたの側に立つディレクターとしてです。

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