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最初の顧客をどうつかむか?甘えを捨てて「泥」をすする覚悟はあるか

fundo編集部 ·
最初の顧客をどうつかむか?甘えを捨てて「泥」をすする覚悟はあるか
Startup & Marketing

最初の顧客をどうつかむか?
甘えを捨てて「泥」をすする覚悟はあるか

起業をするうえで、最初の顧客をどうつかむかは「最大のハードル」である。身も蓋もない現実を突きつけるが、0から1を生み出すというのは、出産であり、宇宙のビッグバンと同様だ。それくらい「無」から「有」を作る作業は凄絶を極める。起業家は、それほど異常な難易度のことにチャレンジしているのだ。

「大企業の新規事業」と「個人の起業」を混同するな

よく大企業の新規事業担当者が、さもすべてを分かったような顔をして起業のあれこれを語るが、あれは「半分あってて、半分は致命的に違う」

フレームワークや検証のやり方はほぼ同じかもしれない。しかし、決定的に違うのは、企業には「信頼という名の下駄」があることだ。

仮に任天堂が、何の脈絡もない怪しげな広告で新しい携帯ゲームのベータ版を告知したとしよう。世間は「あの任天堂のゲームか。ちょっとやってみるか」と、最初から信頼ベースで動く。

一方、どこの馬の骨かもわからない起業家の場合、そもそも広告を出す資金すらカツカツだが、仮に必死で出したとしても「よーわからんところの、よーわからんゲーム」なんて、驚くほど1ミリも買われない。これが現実だ。

さらに、既存の企業には長年積み重ねた「お付き合い(取引関係)」がある。経験のあるビジネスパーソンならわかるだろう。義理や付き合いで「まあ、今回は買っておくか」という大人のソリューションが発動するのだ。

起業家には、この「下駄」も「お付き合い」も「完全にゼロ」である。人づて、泥臭い協力者を必死で集める以外に道はない。

要素 大企業の新規事業 個人の起業
初期の信頼度 看板(下駄)があるため最初から高い 皆無。「どこの馬の骨」状態
既存リレーション 取引先との「お付き合い」が使える 完全なゼロ。誰も助けてくれない
初期の購買動機 ブランドへの期待、義理 強烈な課題解決、または「情」のみ

「ファンを作ろう」とかいうクソみたいな甘え

「営業は苦手です。できるだけスマートに、オンライン中心でいきたいです」
……結構。否定はしない。ただ、そのやり方で最初の顧客を掴むには、気が遠くなるほどの時間がかかることだけはミリ単位で了承しておいてほしい。

そして、一番反吐が出るのが「まずはファンを作ろう!」とかいう、マーケティング気取りの甘ったれた言説だ。作ろうと思ってファンなんてできるわけがないだろう。ファンを舐めるな。

何百億、何千億と動くプロスポーツの世界を見てみろ。ファンを増やそうと必死で施策を打っても、全然うまくいかないのが現実だ。オリンピックであれだけ日本中を感動させ、一時的にファンが増えたように見えても、大会が終われば一瞬で熱は引く。継続しないのだ。

芸能人だって、熱愛が発覚すればファンは一瞬で離れていく。それくらい流動的で、コントロール不可能な「ファン」という存在に、実績ゼロのスタートアップが最初から依存しようとするな。

【現実解】最初の1人を掴むためのルート

綺麗事をすべて剥ぎ取った後に残る、現実的なアクションは手元にある「予算」で決まる。

ルートA:予算が30万円くらいある場合

迷わず営業代行(特に質の良いテレアポ・架電)に外注しろ。ちゃんとした代理店を選ぶ目利きは必要だし、その選定自体もしんどいが、これが一番手っ取り早い。

なぜなら、広告やインバウンドを待つより、架電によって「リアルな顧客の拒絶の声」を聞く方が圧倒的に価値があるからだ。そこで断られた理由、彼らのリアルな不満を聞き出し、サービスに足りないピースを死ぬ気で補う。泥臭いインタビューと顧客理解を完了させた後になって初めて、LP(ランディングページ)を作り、広告を打つというデジタルマーケティングが機能する。

【新提案】予算数万円〜:DM・直販営業に「インタビュー費5,000円」を組み込め

もし、営業代行に30万も払えない、あるいは自分で直でDMを送ったり突撃したりする場合の超強力な裏ワザを教えよう。

DMや営業メッセージを送る際に、最初から「インタビューさせていただければ、謝礼として1回5,000円をお支払いします」と明記してアプローチするのだ。

よくある外部の「インタビューマッチングサイト」を使ってリサーチする手法もあるが、あれは実質的に規約などで「その後の営業・売り込み」が禁止されているケースが多く、ただ顧客の声を聞いて金が飛ぶだけで終わる。

しかし、自分のDMや直接の営業メールで「5,000円払うから話を聞かせてくれ」とやる分には、誰も文句は言えない。アポ単価は実質5,000円(+自分の動く労力)になるが、これには凄まじいメリットがある。

「謝礼付きインタビュー営業」が最強である理由

1. アポが格段に取りやすくなる(どこの馬の骨でも、金を払うと言えば話くらいは聞く気になる)
2. 顧客の生々しいリアルな課題・声が聞ける(サービス改善の極上データになる)
3. そのまま「売るチャンス」に繋げられる

インタビューとして相手の悩みをすべて聞き出した後に、「実は、今まさにその課題を解決するサービスを作っておりまして……」と切り出す。これなら実質ダメだと言われるインタビューサイトと違い、自分のフィールドで正面から商談化できる。売るチャンスがあって、声も聞けて、アポも取れるなら、5,000円なんて安すぎる投資だ。

ルートB:予算が本当に「完全ゼロ」の場合

金が出せないなら、代わりに自分の命(時間)を削って四肢を動かせ。これ以外に選択肢はない。

古典的なビジネス書に書いてある泥臭い手法そのままだ。ターゲットとなる中小企業を徹底的に、ストーカー並みに調べ上げろ。「なぜ、他でもない御社に提案しに来たのか」という問いに、相手が引くくらいの熱量とロジックで応えられるようにしろ。全力を尽くして、一社一社に突撃するしかないのだ。

究極の真実

どこの馬の骨かもわからない奴と、わざわざリスクを冒して取引してくれる理由。 合理性を超えた先に残るのは、突き詰めれば「起業家の熱意・気持ち」、ただそれだけだ。

せっかく起業したのに、媚びるしかねぇのか?

もし、その熱意や気持ちだけで押し切る自信がない、あるいはスマートにやりたいと言うのであれば、プロダクト側に「圧倒的なお土産(インセンティブ)」を仕込め。

最初の数社限定で「月額1万円」の破格にする、あるいは完全な「成果報酬」にする。相手に「リスクゼロで、甘い蜜だけを吸える条件」を提示し、実質的な実績を「買わせてもらう」のだ。死ぬ気で相手に得をさせろ。

「せっかくリスクを背負って起業したのに、結局客に媚びるしかねぇのかよ」

そう憤る人もいるかもしれない。だが、私はあえて言おう。「そうだ、平伏して媚びろ」と。

実績のない者が、最初の実績(アセット)を買うというのは、そういうことだ。プライドを捨て、泥をすすり、最初の1社に「這いつくばってでも価値を提供する」覚悟がない者に、0から1の宇宙は開かれない。

この記事のまとめ

1. 起業の0→1には大企業の「下駄」も「お付き合い」もない。
2. ファン作りという幻想を捨て、顧客のリアルな拒絶からサービスを磨け。
3. 予算30万なら営業代行、数万円なら「謝礼5000円DM営業」でアポと商談チャンスを買い取れ。
4. 金がないなら死ぬ気で個別徹底調査の上で突撃。「お土産」を差し出して最初の実績を買え。

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